奥 秀太郎監督インタビュー


11月19日から22日まで新作映画(2016年3月撮影)のワークショップ・オーディションを行う奥秀太郎監督は現在、舞台「攻殻機動隊」(11/5-15東京芸術劇場プレイハウス)の絶賛稽古中です。そのお忙しい合間を縫って奥監督に今回のワークショップとオーディションにかける思いを聞いてきました。ワークショップ参加の参考にして下さい。(奥秀太郎監督ワークショップ&オーディションについてはこちら→

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松枝 うちは10年「映画監督による俳優のためのワークショップ」をやってきています。ワークショップと言いましても、演技訓練のためのワークショップということではなくて、キャスティングをしてもらうための、試行錯誤の場としてのワークショップということに重きを置いています。実際、幾つかの作品で、重要な役で俳優たちの出演を決めています。しかし、実際それは大変なことで、なによりも今の日本では、商業映画の場合、監督にキャスティングの権限が無い場合も多いですし、決めていただいても、エキストラに毛の生えた配役しかいただけない場合もある。監督に個性があってキャスティング自体が作品の範疇にある場合、監督がキャストを決めることもありますが、その場合でも最終的にはプロデューサー、出資者の許可が無いとGOサインは出ない。すると無名の新人たちが重要な役でキャスティングされるのは、針の穴に糸を通すほどに難しい。それをうちのワークショップはなんとかお願いして、監督権限で決められるギリギリのところでキャスティングを決めていただいていたりする。で、今回、奥秀太郎監督にワークショップをお願いしたところ、オーディションもやろうという提案をしていただきました。それは大変うれしいことなんですが、監督にキャスティング権限が無いという現状の日本映画界の中で、奥監督が軽々とオーディションもやりましょうと言えるのは何か秘密があるんでしょうか?

奥 いや、そんなに軽々と言っている訳ではないんですが(笑)これまでもいろいろな新人、若手を抜擢してきた過去がありまして。奥枠というか。様々な関係各社と戦い抜いて配役を決めてきた過去があります。

松枝 それは大変頼もしいです。奥監督の作品は、非常に個性的ですから、どういう俳優がどう演じるかというのが非常に重要ですね。過去作品においても、やはり出演者がすごいという印象があります。桃井かおりさんや中村獅堂さんのような個性の強い名優たちは奥監督作品のどこに惚れて出演してくれたとご本人は思われますか?

奥 僕というよりは皆様の懐の大きさによるところではないかと。基本的にダメな人間なので優秀で強い女性達にいつも支えていただいていると思います。

松枝 そのような自由な場所でいわゆる商業主義にとらわれずに個性を発揮できる場所に参加することは、うちのワークショップに来るような無名の、無名と言っても魅力があったり演技力があったりするのは僕の自慢なんですが、そういう無名の俳優たちにとってとても良い刺激になると思うんですよね。ちなみに、参加俳優の中に良い俳優がいれば、メインキャストになることもありうると考えて良いんですか?

奥 それはもちろんです。

松枝 新作の撮影は2016年の3月にインするということだったのですが、どのような内容かは僕は知っているんですが、発表すればみんなが飛びついて参加したくなる内容なのですが、それはまだ発表できないということですので、いま現在の言える範囲でよいのですが、どのような話なのかについてお聞かせ願えますか?

奥 日本が舞台の物語。特殊な学園もの。新作です。

松枝 学園物ということは、高校生とかそういうキャストがメインになるのでしょうか?

奥  高校生に見えるのであればある程度年齢が高くてもOKです。また、学園物と言っても、学生ばかりが出るわけでもないので、親兄弟の年齢、先生、校長先生等の年齢、周辺関係者など考えると、いろいろな幅の役があります。

松枝  これまでの奥監督作品としては異色な感じになりそうですね。失礼な言い方になりますが、メジャー感があると言いますか。これまではどちらかというと自主製作映画的なイメージがありました。それだけに、内容的に過激なところに踏みこんで行けたと言う印象です。今回は、よりメジャーな映画をめざすという事で、そのあたりはどうなるんでしょうか?

奥  劇場公開作11本目になる次の作品は究極のエンターテインメントをめざします。飛行機の中でかけてもらえるような映画。ソバをフォークで食べながら観て日本を勘違いしてくれる映画をつくりたいですね。自由度はまあなんというか、最近の自分の舞台作品もそうですが、意外と最終的には好き勝手やらせてもらっているという(笑)あと自分に向いた作品をやらせてもらっているのが大きいです。

松枝 今回のワークショップやオーディションに、どのような俳優、女優に参加してもらいたいのでしょうか?

奥  とにかくエネルギッシュな俳優に出会いたい。この日のために普段から刀を研いでいるような。一瞬で勝負をつけてくれる俳優。

松枝 奥監督にとって映画ってなんですか?

奥 究極の趣味。映像を扱う者にとってのシンプルかつ究極の表現が映画だと考えています。そして俳優の究極の一瞬を切り取ることができるのも映画です。

松枝 では、俳優とは?

奥 人でありながらもっとも人間から遠い存在。独りでたくさんの観客の気持ちを受け止める事ができる。今まで何人もの女神や時に鬼(笑)に出会う事ができて幸せでした。

松枝 最後に、今回のワークショップとオーディションという初の試みですがかける想いみたいなのがありましたら。

奥 新しい出会いに期待しています。アゲインストな感性とメジャーな演技力を持つ才能を求めています。

松枝 本番稽古中、お忙しい中、ありがとうございました。

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